Platinum Kingdom【完全完結】
他人で弱さを見せられるのはマリナしかいなかった。
考えられなかったから。
『ちょっと待って!今どこよっ?今から行くから!』
「…っ、渋谷…」
『わかった、今から行くね』
「…っ、ごめ、んね、マリナ」
『何言ってんのよ。
親友が泣いてんのに、ほっとけるわけないでしょ』
そう言ってマリナは『待っててね』と言って、通話を切った。
――――――それから10分くらいだろうか。
マリナの家の自家用車が来た。
「更紗!」
「…マリナ…っ」
マリナも制服姿だった。
私はマリナに抱きつき、さらに泣いた。
マリナに抱きしめてもらっていた時、すごく温かくて。
その温かさにも涙が出てきた。