Platinum Kingdom【完全完結】
▼両親
私は歩いて帰ろうとしていたら、
「更紗様」
聞き慣れた声がした。
「…呉岳【くれたけ】…どうして」
私の専属運転手の呉岳が本家の前にいた。
「お嬢様からなかなかお電話が掛かってきませんでしたので…」
呉岳とは、生まれてからの付き合いらしい。
呉岳は本当によく気が利いて、私はそのお蔭でいつも助けられている。
物心ついた時にはもう呉岳がいた。
…そして、私のよき相談相手だ。
「…ありがとう」
「礼には及びませんよ、お嬢様」
『さぁ、こちらに』
と、誕生日に母様から頂いた、白のベンツのロールスロイスのドアを開けた。
「…ありがとう」
私は乗り、そこまで本家と離れていないので、あっという間に本家から帰ってきた。