Platinum Kingdom【完全完結】
「今までが、誰かに頼りっぱなしだったから」
「…」
「だから、私はもう誰かに頼るんじゃなくて自分で解決したい。
…良い方向にいったとしても、
―――悪い方向にいったとしても」
「更紗…」
「それに、…あなたの隣に立って、恥じぬ人間になりたいから」
「え…?」
「…財閥界の中枢とまで呼ばれている兄様と、婚約者を持っているのに、私はそんなに偉くもないし、何も特技ですらない。
…そんなの、私は嫌。
だから、―――一歩ずつ、あなたの隣に立てるようになっていきたい」
特技も、
技術も、
何もない私を、あなたは選んでくれた。
―――なら、私も努力をしていきたい。
一歩ずつ、一歩ずつ。
“財閥界の中枢”の婚約者として、ならっていきたい。