Platinum Kingdom【完全完結】
「真帆、さん…」
「こんにちは、更紗さん」
「…こんにちは」
緊張って言うよりも、ドキドキ。
ドキドキっていうよりも恐怖。
…お化けが出る、とか、刺される、とか。
そういう物騒な恐怖じゃなくて、
何を言われるのだろうっていう、そんな恐怖。
真帆さんからはバラ、のようなすごくエレガントな香水の香りがした。
…それはまさに、大人の女性、というような。
そんな香り。
そして、胸元が大きく開き、体の曲線を極端に見せるようでも、品を損なわないような黒のひざ上ワンピースに、黒のピンヒールを履いていた。
雰囲気からしても、服装からしても。
―――私と同じ、高校生だとは思えない。