Platinum Kingdom【完全完結】
「…今まで私達はあなたにプレッシャーをかけすぎていたわよね…。
本当にごめんなさい」
頭を下げるお母様。
その現状に私は理解できずにいた。
「…え…」
「…あなたと、更紗と。
まともに会話などする機会もなかった…」
そう。
私は殆ど食事は兄様と2人で摂っていた。
今では、1人自室で食べる時の方が多い。
…話だって、あまりしたことがないし、したことも記憶にない。
「…プレッシャーをかけられていたことは、それはないと思います。
自由にさせてもらっていましたから」
「…拓哉と更紗には辛い思いばかりさせてしまったわね…」
「…」
「ずっと拓哉に言われていたわ。
『お願いだから、更紗だけは自由にしてやってくれ』って。」
「…え…」
「だからね、更紗。
あなたは、婚約などしなくていいのよ」
…私は、婚約しなくていい?
嬉しい。
けど、それって、違う。
それってさ、
「私は家族に入れてもらえないんですか…?」
「…え?」
「私は、家族として、
…白蕗家の人間として、入れてもらえないんですか?」