Platinum Kingdom【完全完結】



「お帰りなさいませ、お嬢様」

「お帰りなさいませ、更紗様」

「…ただいま」



家に帰って、お出迎えをみんなしてくれたけれど、私は不愛想な態度をとってしまった。


…きっとみんな、不審に思っただろうな。

そうとは思ったけれど、
私はそんなことを気にしていられるほどの心の余裕がなかった。


―――この事実が、自分で思っているよりもショックだったみたいで、精神的にも何もかも、限界だった。



私は自室に帰り、ベッドに横になった。

すると、

コンコン、というドアをノックする音とともに、


「お嬢様」

「呉竹…」



呉竹の声がした。

呉竹は運転手であり、執事でもあるから、
私の変化はきっと手に取るように感じたのだろう。



< 243 / 415 >

この作品をシェア

pagetop