Platinum Kingdom【完全完結】
それは、同棲するちょっと前のこと。
真帆さんとのことが解決してから2,3日後の話だった。
『………え、遥翔…?どうしたの?』
目を疑った。
だけど、夢なのかと思い、瞼を閉じ、また開けてみた。
だけど彼は居て。
そう。
朝起きたら、遥翔が私の部屋に居たんだ。
『案外反応薄いな、更紗』
『十分驚いてるよ』
『私は朝は鈍いの』と反論する気力もなく、
『どうしてここにいるの?』
重要なことだけ聞こうとしたけれども、
『知りたい?』
遥翔はそう簡単に扱えるモノじゃなかった。
分かっていたにも関わらず、
聞いてしまった私がバカだったと思い、
『…いいよ、別に』
また布団の中に潜った。
『いつもより遥かに冷めてんね、更紗さん?
朝は比較的に低血圧だって言うの、本当なんだな』
遥翔の口から聞き捨てならない言葉が出てきた。
『…ちょっと、誰から聞いたの』
朝は比較的低血圧だってこと、遥翔には言った覚えがない。
それに、遥翔と一緒に寝たことなんてないのに。