Platinum Kingdom【完全完結】
▼籠の中の姫君
――――ある日のこと。
「ねーっ、聞いたあ?」
スーツ姿の男に抱きつく、制服姿の女。
「あ?」
「んもーっ!相変わらずイ・ケ・ズぅ!そんな所も素敵なんだからっ」
こんなことをする女子生徒は一人しかいない。
―――雛鞠、だ。
「学校であまりここに来たらダメだと言っただろう?
雛鞠【ひなぎく】」
いつもと同じ言葉を言う、お兄ちゃんこと海堂“先生”。
「ごめんなさい…でもお兄ちゃんに会いたくて」
雛鞠も、海堂同様同じ言葉を言う。
「全く…。雛鞠は悪い子だ…」
「…悪い雛鞠にはお仕置き、なの…?」
「考えなきゃな?」
「…えぇー?
でも雛鞠、お兄ちゃんのお仕置きなら受けても、…いいよ?」
流れもいつもと同様だ。
ただ、いつもと違うのは、