Platinum Kingdom【完全完結】
お見合いだって、今までにもう5、6回は裕に越えてる。
でもね。
それでもね。
私はね、ずっと好きな人とがいるから。
だから、なんやかんやと理由をつけては話を紛らわしてきた。
だけど、もう。
もう、限界が来たみたいだ。
“彼”とは、家柄故に…結ばれる事はないかもしれない。
でも、
『…その人が跡を継いだ時に役に立てるなら、
…私がその人以外の人と結婚したことによって、その人の役に立てるなら。
それで良いと私は思っているのよ』
この言葉に、私は間違いなどない。
偽りなどないから。
だから。
渉のために。
未来の、“相澤家”のために。
私は決意する。
そして私はケータイを取り出す。
掛ける先は、
―――――『相澤本邸』
「…どうして…っどうして震えるのよ…っ!」
手先が震えて。
スクロールしているのに、押せない。
心が、
体が、
『YES』と言うのを拒否しているかのように。