Platinum Kingdom【完全完結】
「…っどうしてっ?!」
押せない理由は。
“押したくない”理由は。
『やっぱり自分で選んだ人と恋愛して愛を深めて、結婚してっていう理想が捨てられない』
多分、彼女の思っていた、これ。
彼女の言っていた意味は、分かっていた。
だけど。
私の想いが、
考えが、
否定されているようで、認めたくなかったんだ。
だから、
『自分で未来を変えることは出来るでしょう?』
なんて、大口をたたいた。
『だって『未来は自分で切り開くもの』だもの』
そうだよ。
婚約さえすれば、もしかしたら新しい出会いがあるかもしれない。
その考えを、
私は彼女に…更紗さんに押しつけた。
私の考えを、正当化させるために。