Platinum Kingdom【完全完結】
「おい」
「…っ、どうして…」
どうして、私の目の前に現れるの。
―――渉。
「…お前、」
――――何も言わないで。
「…もう、どっかいってよ…っ!
今から私、『OK』の電話入れなきゃいけないんだから…っ!」
―――私の、覚悟が消えてなくなってしまうから。
「…おい…」
――――だからお願い。
「私は所詮、相澤の分家である海堂家のあなたに見張られた相澤の駒でしかないんだから…っ!」
――――私の決意が鈍らないうちに、私の視界に入らないところに行ってよ。
「雛鞠!」
“雛鞠”
そう。
あなたが呼んでくれるこの名前も。