Platinum Kingdom【完全完結】
私が相澤に生まれてきてしまったがために、本当に心から思う人と一緒になることすら許されない。
そんな事実、
幼かった私たちは知らない。
―――知るはずもない。
「ねぇ、渉?」
「…ん?」
「……いつも私、思うんだ」
「…何を?」
そう。
例え、死なないと叶わない夢だったのだとしても。
夢幻じゃないと叶わない夢だったのだとしても。
それでもいい。
それでもいいと思うくらい、私は願う。
「出来ることならね、私ね。――――あの頃に戻りたい」
きっと、あなたは困った顔をするんだろうね。
それか、眉間にしわを寄せるのだろうか。
想像しただけでも、どれも現実味があることに笑えちゃう。
それとも、『馬鹿』と。
あなたは言うのだろうか。