Platinum Kingdom【完全完結】
「更紗さん、返事は?」
「…はい」
なぜか、お見合い話。
ありえない…。
そりゃね、この古くから続く由緒正しき名門の家に生を受けて、
一般の子のように普通に出会って、
普通に恋愛をして、
結婚だなんてこと、ないことは覚悟していたけれど―――。
まさかこんなに早く来るなんて。
まともに恋だってしたことがないのに、もう生涯を共にする相手を決めてしまうの?
「それでは、失礼します」
私は頭を下げながら、襖【ふすま】を閉めた。
「…っ、緊張した…」