Platinum Kingdom【完全完結】
「雛鞠は、いいのか?」
「何がでしょう?」
「ーーー渉くんだよ」
まさか、遥翔のお父様に知られているとは思わなかったから、ビックリしたけれども、あぁ、やっぱりと納得した。
あからさまだったしな、私。
「ええ、もう終わったことですから」
そうやって私は私自身に言い聞かせる。
まだ、
彼を忘れられそうにはないから。
渉を忘れようとした時間よりも、好きだった時間の方がまだまだ長いから。
だから、忘れようとする時間が好きだった時間より長くなるまで、好きでいさせて?
…神様、それくらいいいでしょ?
…相澤のために、生きていくから。
だから、それまでは許してください。