Platinum Kingdom【完全完結】




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『ねぇ、お母さま?』




まだ幼い姿の私。

セミロングの髪をツインテールにして、お母様にリボンで括ってもらっている私。




『なあに?』

『どうしてほしいって言ってないおもちゃやお洋服はたくさん来るのに、ほしいって思ったものは来ないの?』

『…それはね、雛鞠。貴方の気持ち一つじゃないからよ』

『え?』

『貴方がほしいと思っていることはね、お母様やお父様からじゃ、あげられないものなの』

『どうして?』




私がそう聞くと、困ったように笑うお母様。




『うーん、そうね…。じゃあどうして雛菊は渉君の隣にいたいと思ったの?』

『だって雛菊、渉のことが好きだから!』

『その雛菊の“好き”っていう気持ちはね、お金じゃ変えないでしょう?』

『うん』

『それと同じように、渉君の気持ちもお金じゃ買えられないからあげられないの』

『…そっか』

『だからね、雛鞠』




私に目線を合わせると、お母様はふんわりと優しく微笑みながら言った。







『将来、大きくなったときに、きっとその気持ちをくれるわ』――――と。






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