Platinum Kingdom【完全完結】
「奥様がお見えにならなくなって、不安になられたのでお連れしたのですが…」
「あら…もう。暁煌ったら。ごめんなさいね、下がっていいわ」
「はい、」
暁煌は随分と賢い子なのだろう、あまり泣かない。
泣かないけれども、人一倍さみしがり屋だった。
私が見えないだけで、不安になる。
それが何ともいえず、
――――――可愛すぎて、ヤバいのです。
将来はきっと私は親バカになるんだろうな、なんて苦笑しつつ。
私は暁煌と向き合う。
「よし、暁煌。
ちょっとお散歩に行こうか」
「あー!」
「遥翔はきっと遅いだろうし、ちょっとそこまで…いいよね」
春とはいえどもまだ肌寒いこの季節。
私はカーディガン一枚羽織り、遥翔にはちょっと厚着をさせ出て行った。