Platinum Kingdom【完全完結】
誰かに声をかけて行こうとしたのだが、生憎誰もいなかったので誰にも言わずに出てきてしまった。
…まぁ、いいか。
ちょっとすぐそこまでだし。
―――なんて軽く考えていた。
…後に怖いことになるとも知らずに。
なんて、今の私には関係なく、ただただ愛しいわが子と歩いていた。
…まぁ、暁煌を抱き抱えているんだけど。
「ちょっとまだ寒いけど、お天気がいいから気持ちいいね、暁煌」
「うー」
まだ『あー』とか『うー』とかしか言えないけど、比較的声を発するのは早かった暁煌。
そんなときもちょっと嬉しかった私。
…成長が楽しみだな、と思う反面、自分と同じように早くに私たち…親元から離れていくのかな、と思ったらさみしい気持ちになったりもした。