Platinum Kingdom【完全完結】
結婚なんて、ただの紙切れ一枚でできる。
夫婦は紙一枚で誰にだってできるし、なれるんだから。
だけど、それには代えられない幸せが築けるかどうかで、その夫婦は長く、命尽きるその時まで互いに一緒にいられるか、の違いだろう。
出会いなんて、たかだかそんなものだと私も思う。
「でも、確かに幸せだよ。
結婚当初と変わらないくらいにね」
「ふふ、あたしも。
更紗もあたしも、政略結婚とは言え、好きな人と結婚できてよかったよね」
「ね」
「あの、なんて言ったっけ?」
「うん?」
「ウチの学校にいた、あの相澤家の―――」
「ああ、雛鞠さん?」
「ああ、そう!
あの子もさ、まさか海堂先生と結婚するだなんてね!」
まるで小説みたい!といつになくキャッキャ騒ぐマリナ。
そんな趣味があったんだなと思いつつ、私は、
「まぁでも雛鞠さんは、私たちとは違っていろいろと苦労してきたからね…」
そう。
まるでシンデレラのような。
本当に、幸せになってくれてよかった。