Platinum Kingdom【完全完結】
「…まだ、断定はできないわ」
「ですが奥様…」
「…しばらく、様子を見ましょう」
「…」
「香水もピアスも、私は見てはいないわ。
決してあなたを疑っているわけではないのよ?
でも、私の目で見たことしか信じたくないのよ、こういうことは特に」
嘘、ただ、信じたくないだけ。
それが真実【ほんとう】だと、知りたくないだけ。
嘘だと思いたい。
ただ、接待か何かで着いただけだと。
そう言ってもらいたい。
「そうですね」
とお手伝いさんも納得してくれて。
私はその日は目を瞑った。
―――それがいけなかったのだろうか?