Platinum Kingdom【完全完結】
「奥様…っ」
奏紗を寝かしつけ、暁煌にひらがなを教えていた。
そんなときに、またお手伝いさん。
ーーー今度は何?
今からまた、何を言われるのかと思ったら、溜め息を吐きたくなる。
だけど、
「何かしら?」
気丈に振る舞う。
昨日のことなど、気にしていないかのように。
「…っ、実は…」
表情から見て、良い話ではないことは確か。
多分、またあの話だ。
話し出そうとするお手伝いさんを遮り、
「暁煌、お母さん喉が渇いちゃったの。
ダージリンを頂いてきてくれない?」
「わかったー!」
暁煌はドタバタとではなく、ささっと速歩きで厨房まで行った。
はやく大人に近付く暁煌にどこか、寂しさを覚える私。
でも今は、そんなことを言っている余裕などなくて。