Platinum Kingdom【完全完結】
ふらふらとただ、歩いているだけだったのに、駅に着いた。
時間を見ると、家を出てから1時間がたっていて。
ちょっとどこかに旅に出ようかな、なんて思いつつ。
そんなことができる身ではないのもわかっていて。
わかってるんだけど、どうしても。
…どうしても、自分の足が止められなくて。
勝手に動いてる。
私は財布の中から現金だけ抜き取り、ケータイと中身のない財布をコインロッカーに入れて、電車に乗った。
なぜって?
…この財布の中には、GPS機能の働くカードが入っていて、すぐに場所が伝わってしまう。
ケータイだってそうだ。
GPSが着いて要るでしょう?
だから、コインロッカーに入れた。
…けれども。
「あ、ネックレス…」
これにも埋め込まれてたら大変だ。
そう思った私は、下りた先の駅で預けようと思っていた。
すると、
「あれ?更紗?」