Platinum Kingdom【完全完結】
そう言えば、前にマリナの家に来た時に忘れた香水の小さいボトルが出てきたから、ちょっとだけ付けたの、バレたかも。
そう思っていたのは、
「…ちょっと上に行ってくるな?」
やっぱり当たっているようで。
急いで上に上がろうとしたら、今日に限って膝丈のスカートを履いていて、しかもストッキングをはいていたから、滑った。
「きゃっ…!」
「危ない…!」
落ちる。
そう思った瞬間に、助けられた。
…―――この家の主、三条 渚さんに。
「…危ないですよ、更紗さん」
「…っ、ありがとうございます…でもっ言わないで…っ」
私は半泣き状態で彼にすがりついた。