Platinum Kingdom【完全完結】
電話を切って、私は駅に向かう。
駅地下でウインドーショッピングしたり、なんだかんだ、すごく楽しくて。
生まれてからこんな自由、あっただろうか。
そんなことさえも考えて。
それから2時間、駅に改札付近に行って、コインロッカーを開ける。
でもそこにはケータイも財布もなく。
あれ?と思いながら、駅員さんに聞く。
「すみません」
「はい」
「このコインロッカーの中身って…」
そう私が何気なく聞くと、
「いっ…いらっしゃったぞ!」
大声が響いた。
――――ああ、そうだった。
私、今追跡され中だったんだ。
馬鹿だった、私は。
だけど、すごく楽しかった。
だからいいかなって。
そう思いつつ。