Platinum Kingdom【完全完結】
「さ…っ更紗様?!」
「白木さん…」
見るからに何とも高そうなスーツを着た、見たことのあるピンバッチをはめて。
そして見るからにできそうなメガネをかけてるイケてる男性。
この人のことはよく知ってる。
だって、遥翔直属の秘書だから。
ああ、もう。
一番最悪な終わり方だった。
「…さようならー」
「いやいや!」
びっくりしている彼に、普通に通り過ぎることができるだろうと思って『さようなら』と言ったんだけども。
その考えがまずかったね。
「…なんでしょう」
「いやいや!」
「大丈夫です、安心してください。もう逃げませんから」
「…」
信用されてないな、これは。
そう思うと私は一つ溜め息をついた。