Platinum Kingdom【完全完結】
「…更紗様。
お言葉ですが、あなたは本当に社長のことを…遥翔様のことが見えていますか?」
私の想像外の言葉だった。
「…どういう、意味ですか?」
「遥翔様が浮気をした現場をあなたは目撃なさったのですか?」
「…いいえ」
「真実を知ろうとしましたか?」
「…」
「…なのに決めつけるのはどうでしょうか」
確かに私は真実を知ろうとはしなかった。
真実を知った時、ショックを受ける事が怖かったから。
『お前なんて飽きたんだ』と。
遥翔にそう言われる事が、怖くて怖くて、仕方なかったんだ。
一人になると、『愛してる』その言葉さえも、嘘だったんじゃないかと。
そう思わずにはいられなくなって。
それが嫌で、現実を見たくなくて。
真実を知ろうとはしなかった。
それは認めるわ。
けど。
「白木さん、私はどう言われたって構わないの。
信じられなくなった、最低な人間はどういったって私だから」
「…更、紗…様?」