Platinum Kingdom【完全完結】




「くだらない昔のことを引きずってる暇があるなら、遥翔に真意を聞いてみなさいよ!」




それくらいできるでしょうが、と鬼の形相で私に言う。


できる。

できるよ、それぐらい。


ーーー普段の私なら。

何の戸惑いもなく、普通に。


だけど。
今は少しだけ、抵抗がある。



「美月さん、私は臆病なんです」




そう。
私は臆病者なの。




「臆病だから、私は真実が知りたいと思っていても、聞けない」




知りたい。
知りたいのに。

結局逃げるだけになる。




< 382 / 415 >

この作品をシェア

pagetop