Platinum Kingdom【完全完結】
「けどねぇ、何でか知らないけど、ちっとも嬉しくないのよ」
何でかわかる?
そう、美月さんは私に聞く。
私は首をただ横に振った。
「だって、遥翔は物じゃないのよ?
あなたからは貰えたとしても、遥翔の心まではアタシは貰えないから」
だから嬉しくないのよ、と美月さんは言う。
ああ、そうか。
美月さんは本当に遥翔を大切に思っているんだ。
遊びなんかじゃなくて。
本気で。
恋愛の意味で好きとか。
そういう次元じゃないんだ。
「あたしはね、アンタより長い時間、遥翔を見てきた」
「…」
「アンタ以上に長い付き合いよ。
学生時代から、アタシは遥翔を見てきたわ」
思い出をなつかしむような。
そんな表情で美月さんは言う。