Platinum Kingdom【完全完結】
「遥翔のシャツに口紅が付いていたっていう、それはアタシが付けたもの」
「…嘘…」
「2日連続みたいな感じで付いていたでしょう?」
「…」
「接待されてたからね、アタシ。
だからそのついでにお土産として付けてあげてたのよ」
遥翔はしたときは気付いていなかったみたいだけど。
と美月さんはケタケタ笑いながら言う。
“したときは”って…?
「普通なら焦ると思うのよ。
自分のシャツに口紅が付いてたらね。
だけど遥翔は気付いていてもアンタに言わなかった。
何でアンタに『これ、今日の接待で付けられただけだから、気にするなよ』って言わなかったと思う?」
何で?
…何でって。
…――――ああ、そうか。
遥翔。
あなたは―――。