Platinum Kingdom【完全完結】
そう。
どうやらお客様がお見えになるようで、今日という今日は遅刻なんて絶対にできなかった状況だったのだ。
けれど、仕事となったら致し方ない。
なので絶対にできるだけ早く来て、と言っておいたのだ。
それもそのはず。
鷹塔と言えば、一時期は不況のせいもあってか、あまりよくない話ばかりだったのだが、今となっては以前の威厳を取り戻し、日本を代表とするほどまでの財閥に返り咲いている。
その鷹塔と絶対に今さら、不仲になるわけにはいかないのだ。
「子供たちは?」
「暁煌と唯人くんは子供部屋に…」
「そうですか。
子供は皆、子供部屋に居るようにと言いなさい」
「はい、わかりました」
叶夢さんはお祖母様が言ったことに頷き、お兄様に抱かれている奏紗に、
「じゃあ奏紗ちゃん、ちょっとお兄様達のところに行っていようか」
「えぇ、どうしてー?」
「拓哉さんもちょっと奏紗ちゃんのお母様と同じで、これから御用事なの。
またあと遊んでもらいましょうね」
「はぁい」
子供のあやしかたも上手で、私はは奏紗を叶夢さんに任せた。