Platinum Kingdom【完全完結】
突如、今までよりも騒がしくなった学校。
まさか、と思った時には遅く。
「うわあ、あの人カッコイイ!」
「何方【どなた】の旦那さんなんでしょうね?」
そのワードで気付いてしまった。
ああ、本当に。
どれだけ我が母親は、
「どうしたの?急に騒がしくなったわね」
なんて、呑気に言っている始末。
こう言ったところが、生粋のお嬢様って感じだ。
こんな母さんだからこそ、この噂の中心人物は心配でたまらないんだろう。
『ああ、貴女のせいですよ』なんてこと、俺には言えずに、
「母さん」
「どうしたの?暁煌」
「ちょっと打ち合わせがあるから、ここで待ってて」
「え?」