Platinum Kingdom【完全完結】
「……っ、あははははっ!!」
突然、笑いだした。
…な、何!!?
「あのっ!私、真剣に―――」
「何勘違いしたのか知らねぇけど、俺、そう言う意味で言ったんじゃねーよ!」
笑いが込み上げてきて未だに笑い続ける、彼。
怒りよりも、驚きが先だった。
…バカ笑い、するんだ。
って。
兄様はすごく厳しく育てられた。
礼儀作法から、何から何まで。
私でも、厳しく育てられた方だ。
けど、“白蕗家”と同じく世界進出して同じくらいの規模の相澤家でも絶対に厳しく育てられているはずなのに。
なのに、
こんなにもまるで子供のような表情で笑うんだ―――。
そんな彼の笑顔を見たら、私も少しだけ、顔が緩んだ。
…笑ったツボはよくわからないけど、
『笑ってくれたならそれでいい』って思えた。