Platinum Kingdom【完全完結】



「…アレがなかったら、今でも遥翔は親たちの言いなり。
全く、自分の意志なんて言わなかっただろう」

「…」



ううん、それは違うと思う。

彼は絶対に自分で、道を切り開いていっていると思う。


彼は、
―――意志の強い人だから。



「私達、本当に感謝してるの。
私達を“本来の遥翔”と出会わせてくれたあなたに」

「―――え?」

「…あなたのおかげで、本当の遥翔と出会えた。
本当にありがとう」



雛鞠さんは私に頭を下げた。



「え…っ、やめて下さいっ!
私は何もしていません!」

「…いや、君の力は偉大だよ」

「それは違いますよ」

「――え?」

「…彼の“変わりたい”って言う意志が、彼を変わらせたんです。
私の力じゃない。
彼の勇気と強い意志が、今の彼にしたんです」



私は雛鞠さんと海堂先生の目を交互に見ながら言った。

これは、自信を持って言える。



「私と競ったからではなく、彼が努力したから、実ったんです。

―――『努力は決して裏切らない』から」



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