Platinum Kingdom【完全完結】
私はそのプレッシャーも何もなく生きてきた。
…本当に私は、
「私はまだまだですね…」
未熟すぎて、悲しくなる。
―――どうしてこんな難しい世界に生まれてきたのだろうと、いつも思ってた。
お見合いだ、政略結婚だと沢山ある中で、
私達は生きていかなければならない。
大人になってもそう。
何千人という社員達を、養わなければならない。
会社を成り立たせなければならない。
よく世間では、
『お嬢様とか、もうお金持ちでいいよねぇ』
『あたしもどこかのいい家柄の令嬢になりたかった』
と言う人がいるけれど、
私は逆に『普通』が羨ましくて仕方がない。
当たり前のことが当たり前に出来ない。
そんなの、本音では嫌だもの。
だけど、これが私に与えられた運命だから。
乗り越えていくしかないんだ。
「もっと自分に自信を持て。
…君にしか出来ないことがあるから」
先生は私にそう言ってくれた。
―――私にしかできないこと…。
それは、今は私にはわからない。
けど、
いつか見つけられるかな?
私だけにしかできないことが。