君ニ恋シテル
私はベッドに仰向けに寝転んだ。
天井を見つめ静かに呼吸する。


色んな偶然が重なって、今日の奇跡は起きたんだよね。

ほんとに今日は奇跡的な日。

制服可愛いって言われたなんて嘘みたい。
ケーキ屋に来てくれたなんて嘘みたい。
話せたなんて嘘みたい。

全部が奇跡。


亜紀ちゃんも逞くんの大ファンになった。

嬉しいな。

私はフフっと笑った。


てっちゃん、ファンレター読んでくれたかな?

気になるー。


大好きって気持ちをいっぱい書いた。
もちろん…ファンとしての気持ちだけど。



目をつむると、てっちゃんのあの笑顔が浮かぶ。


はぁー…。

ため息の後に、私は静かに目を開けた。

頬を両手で包む。
熱い。


振り返ると、笑顔と切なさ。
両方の想いが押し寄せる。
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