君ニ恋シテル
まるで風邪をひいたかのようにぼんやりとした意識の中、ついに亜紀ちゃんの順番がまわってきた。


「きゃあー!!逞ー!!」

大興奮状態の亜紀ちゃんは、体を弾ませながら満面の笑みで逞くんとハイタッチを交わし、

そのままの勢いで、てっちゃんともハイタッチを交わす。


逞くんとてっちゃんの笑顔…素敵だな。

私の視線は自然とてっちゃんへと向いてしまう。

キラキラしたてっちゃんの笑顔が、ドキドキに拍車をかける。

キュンとなって、ますます顔が熱くなっちゃう…。


そして、亜紀ちゃんの番はあっという間に終わった。

亜紀ちゃんは嬉しそうに二人の顔を見つめると、満足げにテントの出口へと向かった。


うわ…どうしよう。
もう私の番だ。
まだ心の準備できてないよ…。
早すぎる…。

ドキドキがヤバイ…。


チラッと出口のほうを見ると、亜紀ちゃんがニヤニヤしてこちらを見つめていた。

そして、なぜかガッツポーズをしてみせた。


な、なんなの…。
< 164 / 679 >

この作品をシェア

pagetop