君ニ恋シテル
…と、てっちゃんの優しい眼差しが向けられ、ドキンと胸が跳ね上がる。

わっ…ヤバイ、どうしよう。
そんな目で見られたら…倒れちゃうよ。

ケーキ屋で話した時よりも、何倍もドキドキする。

ドキドキし過ぎて、おかしくなっちゃいそう。


心の準備をする間もなく、てっちゃんの腕はすぐに私を包み込んだ。

わぁー!どうしよう!
気失っちゃう…。


「きゃっ!」

出口の方から亜紀ちゃんの声が聞こえた。

目だけを動かしそちらを見てみると、亜紀ちゃんは興奮気味に両手で口をおさえ、叫びたいのを我慢しているように見えた。

いつもだったら笑ってしまうところだけど、今はそんな余裕さえない…。

何も考えられないよ。
頭が働かない。
気をつけの姿勢のまま、体が固まって動かない…。

心臓の音がうるさいくらい耳に響く。
てっちゃんにも聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい…。

このぬくもり、ずーっと感じていられたらいいのに…。
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