君ニ恋シテル


だけど、すぐに終わりの時はやってきた。

抱きしめられたのはほんの一瞬。

てっちゃんの体がゆっくりと離される。

あ…終わっちゃった。


たった一瞬の時間に、どれだけの想いが頭の中を巡っただろう…。


目が合うと、てっちゃんはにっこりと笑い、「ありがとう」と言った。


大好きです。
私…てっちゃんが好きです。
言えたらいいのに。

言葉に出して、伝えられたら…。

なんてね…。
届かない想い、儚いね。

抱き締められたドキドキと、嬉しさと切なさ、色んな想いで胸がギュッとなる。


最後にしっかりと目を合わせると、私は亜紀ちゃんが待つテントの出口へと向かった。
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