君ニ恋シテル
「ねぇ優奈、ご飯食べて行かない?駅前にできたファミレス、前から行きたいと思ってたんだ!」
「あっ…うん、いいよ!」
亜紀ちゃんの言葉に私は慌てて返事をする。
「お腹すいたー!」
「あはは、私も」
会話が頭に入ってこない。
上手く笑えない。
どうしてこんなに涙が出そうになるの…。
せっかくの楽しいイベントの締めくくりが涙なんて。
きっと隣に亜紀ちゃんがいなかったら、今頃泣いていたと思う。
一般人が芸能人を好き。
あまりにもちぐはぐだよね。
だけど…やっぱり気持ちに嘘はつけないよ。
…結局また切ない気持ちになってしまった。
こんな気持ちにならないようにって思っていたのに。
でもやっぱりダメみたい。
心は正直だね。
涙が零れ落ちないように、空を見上げた。
優しい夕焼けが心に染みる。