君ニ恋シテル
「でも、興奮し過ぎててなんにも逞に言えなかったなぁ。
あぁー、それだけが心残り!」

「そういえば、私もなんにも言わずに終わっちゃった…」


何か一言だけでも、前のイベと同じ言葉でもいいから、「応援してます」だけでも伝えたかったな…。


「あーぁ、逞と話したかったぁ。
まぁ…あの状況で話すも何も無理かぁ」

亜紀ちゃんはため息交じりにそう言うと、一口水を飲む。


私も、話したかった…。
ケーキ屋で話した時みたいに、あんなふうに話せたらって、心のどこかで期待してた。

そんなのあの場では絶対無理だって、心ではちゃんと理解していたのに、何かあるかもって、知らず知らずのうちに期待している自分がいたんだよね…。


「でもでも、逞が覚えてくれてたって思うだけで、かなりテンション上がるぅ!」

亜紀ちゃんは興奮気味にそう言うと、嬉しそうに笑った。


「うんっ…!」

ほんとそうだよね。
それだけで幸せ気分。
嬉しくて、心があったかくなる。
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