君ニ恋シテル
静かな店内に、亜紀ちゃんの叫び声が木霊した。
亜紀ちゃん…相変わらず声でかい…!
私は思わず店内を見回す。
あ…そうだ、誰もいないんだった。
あの店員さんも…いないよね。
…よかった。
「マジかぁ!きゃあー!
ワクワクするんだけど!
ヤバイ、ヤバイ!
ひゃあー!どうしよう!
優奈!私、応援する!!」
嘘だよと言う前に、私の声を叫び声でかき消した亜紀ちゃんは、キラキラした瞳で私にそう言ってきた。
「亜紀ちゃん…引かないの?」
「引く?なんで?
そんなわけないじゃん!
むしろ楽しい!」
「ほんとにほんと?
バカみたいって思わない…?」
一般人が、芸能人を好きなんだよ?
おかしいとか、信じられないとか…
「思わない!」
そう言うと亜紀ちゃんはニコッと笑った。