君ニ恋シテル
「楽しく考えよう!ねっ!」
楽しく…そっか、そうだよね。
せっかくの大好きの気持ち。
暗い想いなんてイヤだよ。
亜紀ちゃんに釣られ、私も笑顔に変わる。
笑顔が笑顔を呼ぶって本当だね。
笑ってると、全部が楽しくなって、前向きになる。
「運命かもよ」
「えっ?」
突然の亜紀ちゃんの呟き。
運命って…
亜紀ちゃんは笑顔のままこう続けた。
「ケーキ屋で話せたのも…何かの縁だと思うんだよね。
そう思わない?
しかも!今日のイベでの反応!
やっぱ覚えてくれてたって、凄いことだと思う!」
亜紀ちゃんは興奮気味にそう言うと、一気に水を飲み干した。
「ぷはぁ!…とにかく!
意味のないことなんて何もない。
全部に意味があると思うの。
んーっと、だからぁ…うまく言えないけど…ファイト!!
私は優奈の味方だから」
亜紀ちゃんの言葉一つ一つが、心に染み渡る。
運命とか、奇跡とか、あるかもしれない。
やっと今…素直になれた気がする。
「亜紀ちゃん…ありがとう!」