君ニ恋シテル
「…で、めっちゃ変なファミレスでさぁ。しかも優奈が…!
あっ…やっぱりなんでもない」
危ない、危ない。
誰にも言わないって約束だった。
優奈が徹平を好き。
こればっかりは洋祐にも言えない。
「…うん、うん。
じゃあね、おやすみ。
…えー、言うの?恥ずかしい…。
もぅ、わかったよ…好き」
はぁー…。
洋祐との電話を切ると、頬を両手で包みこんだ。
熱い…。
いつも洋祐は、好きって言ってって、言ってくる。
もちろんイヤではないけど…好きって言うのは苦手。
付き合って何年にもなるのに、いまだにドキドキしてしまう。
『好き』って魔法の言葉みたい。
言うのも言われるのも、幸せな気分になる。