君ニ恋シテル
チケットを目にした瞬間、一気に鼓動が早くなる。
嘘…。
チケットが手から離れ、床に落ちる。
「………っ」
気づけば私はぼろぼろと涙を流していた。
奇跡だ…。
奇跡が起きた。
私は床に落ちたチケットを静かに拾う。
届いたチケットはアリーナ席の最前列、ど真ん中の席だった。
絶対ありえないと思っていた場所。
無理だと思っていた場所。
心の中でほんの少し期待していた想いが、現実になった。
夢見てた想いが、現実に…。
涙が止まらない。
止まらないよ…。
嬉しくて、信じられなくて…。
夢じゃない…。
夢じゃないよね。
今私の手に確かにあるチケットが、何度も現実だと証明してくれた。
私はチケットを見つめ、微笑んだ。
今年の夏は、特別な夏。
最高の思い出になるね。
七夕の日に届いた最高のプレゼント。
天の川を見つめ、私は瞳を潤ませた。