君ニ恋シテル
「亜紀ちゃん、あ、危ない!
転ぶっ!」
私の訴えなどお構いなしに、亜紀ちゃんは一気にエスカレーターをかけ降り、中央入口まで全速力で走った。
「……はぁっ、はぁっ、
な、なに、一体なんなの…」
中央入口まではけっこうな距離があるのに、まるで瞬間移動したかのような早さでたどり着いてしまった。
「優奈!!」
「なによ!!」
私は亜紀ちゃんの強引さに少しイラっときて声を荒げる。
亜紀ちゃんはニヤニヤして、ある方向を指差した。
「これ!見て!」
…もう、なんなのよ。
私は亜紀ちゃんの指差す方向へ視線を向けた。
すると…