君ニ恋シテル
「それにしても、夏本番だね!あっつーい!」

「ほんと、溶けちゃいそう…」

「あはは!優奈、暑さに弱いもんね」

「うん…。でも、夏は嫌いじゃないよ」


今日はコンサート会場の近くで夏祭りがある。

街は沢山の人で溢れ、いつもの風景とは違い、屋台がズラリと並んでいた。
威勢のいい声があちこちで響き、暑い陽射しに汗を流している。

夏祭り…。
本格的な夏の始まりだね。

お祭り独特の空気に音。
笛と太鼓の音色が流れる。

どこからか風鈴の音が響いた。
茹だるような暑さが、和らぐ瞬間。
いいな…夏だな。


「あーなんか屋台食べたい!」

「亜紀ちゃん、今日はカラオケでいっぱい食べるんじゃなかったの?」

「まあね。でもなんか焼きそば食べたくなってきた!ちょっと買ってくる!待ってて!」

「あっ…亜紀ちゃ…!」

…行っちゃったし。


「はぁ…暑っ」

私はピンクのバッグからハンカチを取り出し汗を拭った。
今日のために買った新しいバッグ。
一目惚れして買っちゃったんだよね。ピンク大好き。
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