君ニ恋シテル
真夜中のファミリーレストラン


「…で、なんでここなわけ?」

「………。」


亜紀ちゃんがまたもやピリピリとした口調で話す。

私達は今、ファミレスの目の前に立っていた。


前に一度訪れた、目立たない場所にある、店員が無愛想なファミレス。

亜紀ちゃんにてっちゃんへの想いを打ち明けた、あのファミレスだ。


「あっちの新しいファミレスのパフェ、優奈にも食べさせたかったのにー!」

「ご、ごめんねっ…」


前に入ることができなかったあの新しいファミレス。
この前亜紀ちゃんが洋祐くんと行ってパフェを食べて、凄く美味しかったらしい。

だけど、私はこのファミレスに来たかった。


私のワガママを押し通して、今ここにいる。

どうしてこんなに来たいと思ったのかはわからないけど…なんとなく、どうしてもここがよかった。
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