君ニ恋シテル
「最前列、最高でしたよね!しかもピックまで貰えて!あ、そうだ!前のショッピングモールでのイベント覚えてますか?ハートモールの!握手のとき、優奈の前に並んでたって聞いて…ねっ、優奈」

「あっ、うん!そうなんですよ…。だから今日のコンサートで隣だったから、凄く驚いて…」

あの子はチョコレートケーキを一口食べた。


そして、

「…覚えていたわ。私も驚いたもの」

と、静かな口調で言った。


「わぁー!凄い!!優奈、やっぱり運命だよー!ここで会ったのも何かの縁!凄すぎ!」

私の横で興奮気味に話す亜紀ちゃん。


運命…。
なんだかわからないけど、ほんとに縁があるのかもしれない。

だから、またこうやって再会したのかもしれないよね。


「あの…私、藤盛優奈って言います」

気付いたら自然と口が動き、自己紹介をしていた。


「あっ、私も自己紹介しなきゃね。渡辺亜紀っていいます!…えーっと、あなたは?」
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