君ニ恋シテル
「そうだ、さゆ聞いて!ハートモールイベの時の話。さっき亜紀ちゃんに聞いたんだけど…」
逞くんはまたあの話をし出した。
私が仕事を抜け出して、亜紀ちゃんが店番をしていた話。
亜紀ちゃんも話に加わりまた得意気に話し出す。
沙弓ちゃんは笑顔で、時折驚きの表情を浮かべながら話を聞いていた。
「はぁー…」
ケーキ屋での話になると、百合香ちゃんはため息と同時に頬杖をつく。
また不機嫌になっちゃったよぉ…。
「ゆうにゃん」
「…はっ、はい!」
急に呼び掛けられ、肩がビクンと跳ね上がる。
一体何を言われるのだろう…。
「オルゴールが届いたら…私にも見せてくれるかしら」
小さな声で呟く百合香ちゃん。
「え…」
予想外の言葉に一瞬固まってしまう。
「ダメならいいわ」
「…えっ!ダメなわけないよ!全然ダメじゃない!!」
私がそう言うと、百合香ちゃんは目を丸くする。
「ゆうにゃん、あなたって面白い人ね」
「面白い…?」
って、どういう…?
頭に沢山の「?」が浮かぶ。