君ニ恋シテル
「わかりまし…じゃなくて、わかったわ」

「じゃあ…普通に」

百合香ちゃんと私はドキドキしながら頷いた。


敬語じゃなくていいって言われたのは凄く嬉しいけど…緊張しちゃう。

つくづく亜紀ちゃんと洋祐くんを羨ましく思った。


普通に普通に…。
そう心に言い聞かせながら、私は口を開いた。


「てっちゃんと沙弓ちゃんも、この辺に住んでるの?」

…はっ!
てっちゃんって言っちゃった!
ついいつもの癖で…。

野田沙弓のことも沙弓ちゃんって呼んでいいのかな…?


ドキドキしていると…

「うん、そうだよ。だからここのファミレスにはほんとよく来るんだ」

「同じく私も」

てっちゃんと沙弓ちゃんがニコッと笑う。


「そうなんだぁ…」


はぁー…ほんと緊張する…。
普通に話せるようになるには、まだまだ時間がかかりそう。


でも…てっちゃんって呼んじゃった。

呼んでいいんだよね。

距離が縮んだようで、凄く嬉しい…。

しかも近所に住んでたなんて驚きだよぉ…。
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