君ニ恋シテル
「なんかみんなが見に来ると思ったら楽しみになってきたな!」
逞くんが楽しそうに話すと、てっちゃんと沙弓ちゃんも笑顔で頷いた。
「あっ!なぁ徹平、せっかくだから何か面白いことしない?」
「面白いことって?」
子供のようにはしゃぎながら話す逞くんに、てっちゃんが聞き返す。
「そうだなぁー…。たとえば、ミニマラソンの後にインタビューされることになってるじゃん?そこで俺が洋祐の名前を言う!とか?」
「ちょっと逞、名前出すってどういうこと?遊びじゃないんだよ?」
沙弓ちゃんの言葉に逞くんは「大丈夫、大丈夫」と聞く耳を持たない。
洋祐くんもぜひ自分の名前を出してほしいと乗り気だ。
名前を出すって…一体逞くんはどうやって洋祐くんの名前を出すつもりなんだろう?
「よし!決まりー!
洋祐の名前出すから楽しみにしてて」
「うっわ!マジ楽しみ!」
「あはは!ほんとに言うのー?」
亜紀ちゃんも楽しそうに笑う。
沙弓ちゃんが不満げに逞くんを見るも、逞くんは気にもしていない様子だ。